人材業界は、景気の影響を受けやすいビジネスです。
シンプルに言い換えると、(領域により多少バラつきはありますが)
コロナ渦における人材業界の求人状況について、リーマンショックの時と比較しながら考察してみたいと思います。
人材業界の中途採用求人があまり減らなかったワケ
リーマンショックを経験していた会社は景気変動に対する対策が出来ていた
社歴が12-3年以上の人材会社はリーマンショックを経験しています。
その経験を活かし、リーマンショックのような事態が再び起こった時の対策をとっていた会社も多く、そのような会社は、慌てることなく対処されていたように思います。
また人材会社の社長さまとお話をしていると、リーマンショック経験していたことで景気後退時に対する耐性のようなものを出来ており、落ち着いて対策を講じていらっしゃったように感じました。
コロナ渦では全領域が影響を受けたわけではなかった
リーマンショックの時とは異なり、大きく影響を受けた業界は一部であり、影響が少なかった人材会社も多かった。
コロナ支援策があった
またテレワーク導入支援策等により、スムーズにテレワークに移行できたところもあったと思う。
その結果、経費だけでなく働きたかたや仕事の進め方を見直し、環境の変化に対応しながら業績回復に向けた施策がとれた。
派遣契約の終了はリーマンほどではなかった
リーマンショックの時に社会問題にもなった「派遣切り」と呼ばれるような派遣契約の終了はそれほど多くはなかったのではないか。
実際、「2020年6月期、9月期に相当数の派遣契約終了を覚悟していたが、それほど終了は多くなかった」という声も多く聞かれた。
比較的短期間で収まるという期待感
コロナ渦が始まった時、「落ち着いたら〇〇しようね」とみんなが口にしていたように、比較的短期間で収束するという予測?というか期待感もあり、正社員や派遣社員の雇用調整もそれほど発生しなかった。
コロナ禍による経済への影響のピーク時は給付金や雇調金、無利息融資で乗り切れたのかもしれない。
経済の回復が早かった
リーマンショックの時よりも、飲食、観光等の一部の領域を除き経済の回復は早かった。
それに伴い、雇用の回復も早かった。
今回、コロナ禍で求人が減少したのは正社員や派遣社員よりも、パート、アルバイトである。
人材業界の求人状況についてのまとめ
即戦力のご経験者採用が中心
コロナ渦でテレワーク勤務に移行していることから、未経験者への教育体制が整っていない、先の見通しが立たない中で戦力化に時間のかかる未経験者は採用しづらい、経験者なら早期の立ち上がりが見込める、等の理由により、
ただ、今後は業績の回復とととも未経験者採用枠も増えてくると思います。
BPO関連の求人の増加
人材派遣会社での提案営業、労務管理、マネジメント経験、コールセンターでのSV経験などを活かしての転職が可能です。
こちらの記事もご参照下さい。
人材紹介業界の求人の動き
2020年4月の最初の緊急事態宣言時は、1-2か月動きが止まりましたが、7月以降は、業績にさほど影響を受けていない人材紹介会社様よりコンサルタント採用の求人をコンスタントに頂いています。
リーマンショックの時に学んだことの一つに「顧客との信頼関係がしっかり構築できていれば求人は0にはならない」という教訓があります。
それを実践してきた会社はやはり強いなと感じました。
以上、コロナ禍になってこの1年半の間で見聞きして感じたことを書いてみました。
インプレッションアカデミーで開催している勉強会や交流会でも、具体的な事例などをお話していますので、興味をお持ちのイベントがございましたら是非参加してみてください。
人材業界特化15年、600を超える実績!人材業界で活躍中の現役講師陣による充実したセミナー(オンラインセミナー)・ウェビ…
この記事の担当者
木村 正宏
【人材業界専門エージェント】株式会社インプレッション
代表取締役 人材業界(派遣・紹介)歴32年